ニュースリリース
2025年 年頭所感 森トラスト株式会社 代表取締役社長 伊達美和子
2024年は、オフィス賃貸市場・観光業界にとって大きな転換点となる一年でした。当社は、中長期ビジョン「Advance2030」に基づき、2030年度に売上高3,300億円を達成する目標に向けて、着実に歩みを進めております。今年はその成果をさらに拡大し、持続可能な成長を実現するための重要な年と位置づけています。
オフィス賃貸市場においては、都心の空室率改善に加え、企業のオフィス回帰により引き続き高い需要が見込まれています。特にハイブリッドワークの普及に伴い、ワーカーを惹きつけるオフィススペースの提供が求められており、当社は、2025年10月に第2期竣工を控える「東京ワールドゲート赤坂」において、ワーカーの目的地となり、多様な人々が交流する新しい街づくりを目指してまいります。
ホテル&リゾート事業をとりまく観光市場においては、国内外の観光需要が力強く回復しました。特に、2024年のインバウンド消費は8兆円規模と過去最高に達しました。今年は、中国のビザの要件が緩和されることで、4,000万人の年間訪日外客数達成が視野に入っており、観光立国推進基本計画における政府目標「6,000万人」「15兆円」に向けた新たな成長フェーズを描くタイミングに来ています。真の観光立国たる地位を確立するためのキーワードは、「地方観光の再生」です。地方空港のダイヤ数が2019年並みの水準に戻り、東京・大阪・京都をはじめとしたゴールデンルートだけでなく、地方観光の時代が到来しつつあります。国内外からの観光客の受け皿となるべく、「古くからある観光エリアの再興」、「不足する二次交通の確保」、「労働力の確保」を実現するため、「観光立国としてどうあるべきか」から逆算してロードマップを描く必要性があると考えます。加えて、各地で検討されている宿泊税は、地域の観光としての成長を目指すために必要な使途の在り方について、官民一体となって議論を深堀すべき時です。
当社は、「ラグジュアリー・デスティネーション・ネットワーク」構想のもと、日本各地に国際水準のホテルを誘致することで、国内外の旅行者に高付加価値な宿泊体験を提供しています。2024年10月には創業130年を迎えた軽井沢「万平ホテル」を再開業し、12月には歴史的建造物を保存・活用した「ホテルインディゴ長崎グラバーストリート」が開業しました。2025年秋にはサステナビリティを重視したラグジュアリーライフスタイルホテル「1 Hotel Tokyo」が東京ワールドゲート赤坂に開業予定です。今後も日本の観光地の魅力をさらに高め、国内外の旅行者にとって魅力的な滞在先を提供することで、真の観光立国たる地位の確立に寄与してまいります。
2025年は、さらなる飛躍の年となるよう、社員一同一丸となり、未来に向けて力強く歩んでまいります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。